めざせ良質の睡眠 ~老舗ふとん屋が発信する快眠情報~ -202ページ目

枕のこと(実はすごく難しいんです)

枕選びのポイントは「頚椎カーブ」にあります。カーブの深さを計測して、あなたにぴったりの枕をイージーオーダーで作ります。

・・・・確かに、ポイントは頚椎カーブにあります(トリビア風に)。
でもそれだけではないのです、大仰な器具を使ってもジャストフィットの枕が見つかるわけではない、枕はカタチだけでは決められない、中身の素材が大きい要素です。

枕の中身は、小さい粒状で自在に移動する素材がいいのです。ウレタン素材はおすすめしません(テンピュールの好きな方には失礼ですが)。

もうひとつ、ご自分のいつもの布団の上で使ったらどうか、寝る姿勢(寝返りしながらも、最も長くとっている姿勢)はどうか。

最近は「医者が薦める枕」なんて販売されてますし、簡単に高さ調整ができるとメーカーは謳っていますが、これが結構扱いにくいものです。考え方はわかるんですけど。

あなたがリラックスして自分のふとんに寝転んだ時、首から肩までが枕に密着していて、アゴが緊張しないこと。
「ピローフィッター」ってのは、それをもっともらしくしゃべる技術を習った人なんですよ。

天然素材?

自然素材にこだわるのは、日本の気候風土に適した素材があるからです。

たとえば、羽ふとんは軽さと保温性に優れています。
が、メーカー側の都合で、本来もっている透湿性を損なってしまったふとんの多いこと!天然のよい素材を、人間の浅はかな知恵で、別物にしてしまった例です。
素材を生かすには、コストと技術が伴ってないとね。

シルクも同様、真綿ってご存知ですか?
生糸(絹糸)に紡がず、ふうわりしたワタに仕上げるのは伝統の技術です。
ただ品質さえ言わなければ、ずいぶんと安価なものが作れます。でも、それは真綿とは似ていて非なるもの。

天然素材といっても、人間の手が加わった時点で性質が変わる、このことを知っていてもらいたいです。
本物を探すのは、たいへんだぁ(タメイキ)

夜更かしグセがついちゃった

昼間はまだまだ暑いけれど、夜はエアコン無しで寝られるようになってうれしい。
ついつい読書で夜更かし。朝がつらいです。

本来人間は、
日が暮れて、メラトニンの分泌スイッチが入って、
深部体温が下がって眠りにつく
ように出来ています。

朝日を浴びると12~13時間後にメラトニンスイッチが入るようになっているのに、
朝日を受けそこねると眠くなるのまで時計がずれてしまいます。

ゆったり40度以下のお風呂につかって、深部体温を下げにかかりましょう
それから1時間以内に眠気のピークがくるはず。で、おやすみなさい。

不眠症には認知行動療法を第一選択とすべき

m3.com

2006年11月16日の記事から


不眠症には認知行動療法を第一選択とすべき

提供:Medscape



慢性不眠症に対する行動療法は有効であり、

薬物療法よりも効果が長く持続することから、

第一選択療法とすべきであることを示唆する大規模レビュー研究結果


Caroline Cassels


Medscape Medical News



【11月10日】慢性不眠症に対する行動療法は有効であり、

薬物療法よりも効果が長く持続することから、第一選択療法として使用すべきであることを示唆する、

大規模レビュー研究の結果が報告された。


この研究は、1998-2004年に実施された治療試験37件に参加した2,029例以上の患者を対象とした。

研究の結果、認知行動療法(CBT)およびリラクゼーション法といった治療が

原発性不眠症、ならびに一部の医学的状態に関連する不眠症、

また、これより効果は弱いものの一部の精神疾患に関連する不眠症に有効であることが一貫して示された。


「CBTは[不眠症に]有効な治療法であるが、

非常に長時間がとられるという医師の誤解が大きな原因となり、十分に活用されていない。

しかし、実際には、現場医師の時間を過剰にとることなく、

診療に効果的に取り入れ可能なCBTの方法がいくつか存在する」

と筆頭著者であるラヴァル大学(ケベック)のCharles Morin, PhDはMedscapeに述べている。


この研究は『Sleep』2006年11月1日号に掲載されている。



最新の研究結果

1999年、Morin博士の研究グループは、今回と同様の文献レビューを公表し、

米国睡眠医学会(AASM)による不眠症診療ガイドラインの策定に指導的な役割を果たした。

今回の研究は以前行ったレビューの更新版であり、最新の不眠症研究が含まれている、

とMorin博士は述べた。「1999年以降、かなりの数の研究が実施されており、

不眠症の診療に関するパラメーターを更新する時期が来たと感じていた」。


研究者らは37件の研究をレビューし、試験デザイン、標本集団、診断、治療および対照の種類、

転帰に関する主要および副次的評価項目、主な結果について評価した。


睡眠に関する主な診断は原発性または二次性の不眠症であり、

心理療法または行動療法のいずれか1つ以上の治療選択肢があった。

試験デザインは、ランダム化対照試験、非ランダム化試験群デザイン、臨床症例研究、

または単一被験者実験デザイン(被験者10例以上)であった。


各試験には、以下の従属変数が1つ以上含まれた。
・入眠潜時
・覚醒回数および/または覚醒時間
・総睡眠時間
・睡眠効率
・睡眠の質



新たな証拠

レビューで得られた重大な知見のひとつとして、併存疾患のある患者での不眠症治療を支持する強力な証拠が認められた。


「不眠症が単独で生じることはまれであるが、不眠症と他の疾患との関連性は、

不明確なことが多い。以前には、不眠症は常に別の疾患の結果として生じると考えられていたが、

現在では、実際のところ、不眠自体がいくつかの疾患のリスク因子である

可能性を示す証拠が得られている」とMorin博士は述べた。


また、1999年に行われた前回のレビュー以来、

いくつかの研究において、原発性不眠症および併存疾患のある不眠症の両方に対し、

行動療法および心理療法の介入が有効であることを示す結果が得られている、

とMorin博士は付け加えた。


さらに比較的高齢の成人における不眠症治療の新しい知見が得られている。

過去には、比較的若年の、主に健康成人において試験が実施されるのが主流であった。


「不眠症のリスクは若年者よりも高齢者で高いことが知られているため、

高齢者を体系的に除外するのは、やや逆説的である。

しかし、過去8-10年間では、多くの研究によって、

高齢成人は最初、若年者よりも重症度の高い不眠症を示す場合があるものの、

対応する若年者と同様に、行動療法および心理療法の介入が奏効することが

示されている」とMorin博士は述べている。



薬物療法より高い効果

薬物療法が依然として第一選択であるものの、CBTを支持する証拠に基づき、

今後、診療には変化が生じる、とMorin博士は楽観視している。


CBTの使用を妨げる重大な要因のひとつは、

過剰に長い時間をとられるという臨床医の認識である、とMorin博士は述べた。

しかし、実情は必ずしもそうではない、とMorin博士は述べた。


「[CBT]を支持する証拠があり、医学界としてこれから目をそらすことはできない。

論文において「短時間の治療法」と述べられ、診療の場に効果的に

取り入れることのできる、多くの臨床アプローチが存在する。


処方箋を書くのと比較すれば、確かに短時間とはいえないかもしれないが、

CBTは有効であり、薬物療法より効果が長く持続する」。

さらに、睡眠薬の処方に抵抗のある医師にとって、CBTは有効な代替療法となる、

とMorin博士は述べている。


Sleep. 2006;29:1415-1419.


Medscape Medical News 2006. (C) 2006 Medscape

小児の不眠症の薬物管理に関する新しいガイドライン

提供:Medscape   2006年6月14日


米国立睡眠財団とBest Practice Project Management社が合意声明を出し、医療の必要がある小児不眠症の治療がまだ対処されていないと述べる


Laurie Barclay, MD

Medscape Medical News Reviewed by Gary D. Vogin, MD


【2006年6月9日】

小児の不眠症の薬物管理に関する会議を受けて、米国立睡眠財団が

Best Practice Project Management社と共同で合意声明を出した。

この新しいガイドラインは『Pediatrics』6月号に掲載されている。


専門家委員会では、小児不眠症に対する薬物管理が必要であることが

満場一致で同意された。しかし安全性と有効性のデータが存在しない

ままで「睡眠薬」と向精神薬が適応外で処方されている事実が、小児

不眠症に対する最良の薬物管理において知識の隙間があることを示し

ている。


「小児不眠症の解明と有効な治療が強く必要である」と、セントジョセフ

大学とフィラデルフィア小児病院睡眠センター(ペンシルベニア)の

Jodi A. Mindell博士らが記述している。「現状としては、小児における

睡眠薬の使用が適応になっている薬剤が現時点で存在しておらず、

そのために親達は市販薬を購入し、医師は小児への投与での安全性と

有効性が証明されていない薬剤を処方し、小児への投与量を判断する

ことを強いられている。適切に表示された薬剤が存在しないことと

現行の使用状況が相反している」。


米国立睡眠財団とBest Practice Project Management社が、小児と

思春期少年の不眠のための薬物管理の意義について検証し、この

分野での臨床試験の開発に関する勧告を出すために、小児不眠症の

研究と治療に携わっている代表的な専門家を集めた会議を2日間に

わたって開いた。


小児と思春期少年の不眠に使用する薬物の安全性と有効性に関す

る臨床試験が必要であることについては、参加者が満場一致で同意

した。この年齢の患者には、有効性と安全性の科学的根拠がないに

もかかわらず、薬物治療を行われることが少なくない。この患者群が

夜間よく眠れるようにするために、鎮静剤/睡眠薬の忍容性と有効

性に関する情報を明らかにする大規模で厳密な臨床試験を行なう

ことが指示された。


ワーキンググループは、小児不眠症に関する現在の知識背景と

治療選択肢についての講演内容の検討を経て、小児と思春期少年に

特定した集団における不眠症の薬物治療の評価に関する勧告を

出し、臨床試験設計に関係する方法論上の重要問題についての

ガイドラインを作成した。


臨床試験について同意された勧告には、研究対象にする優先順位

の高い患者群、採用/除外基準、転帰の測定法、小児と思春期

少年を登録する臨床試験に固有の倫理問題、小児不眠症の解明を

前進させる今後の研究の優先順位付けが盛り込まれている。


委員会では、小児不眠症の薬物治療の試験における方法論上の

問題を扱った。その中のひとつとして小児不眠症の定義の問題が

あり、「年齢相応の睡眠時間と睡眠機会がありながら睡眠の開始、

持続時間、強化、質に問題があり、その小児または家族の日中の

活動に障害をおこすもの」と定義された。


委員会は、不眠症を抱えた期間と慢性性についての採用基準が

試験毎に異なる場合もあることは認識しているが、こうした基準は

あらかじめ特定しておくことを推奨している。


今回の同意声明では、注意欠陥多動障害(ADHD)の小児と

広汎性発達障害(PDD)/自閉症スペクトラム障害の小児では

不眠症に対する薬物治療が行なわれることが一般的なので、

こうした小児群の不眠症研究が最優先されるべきだとしている。

適切な小児用量を決定し、広範囲の用量での安全性を評価

するためには、薬物動態学と薬力学の研究を実施しなければ

ならない。


「小児不眠症の治療は、医療の必要があるがまだ対処されて

いない分野である」と彼らは記している。「適切な薬物管理の

ガイドラインが作成される前に、小児不眠症治療に関する大規模

で厳密な臨床試験を実施して、小児不眠症に使用される処方薬、

市販薬の安全性と有効性の情報を医師に提供することが絶対に

欠かせない」。 薬物の臨床試験を行なう際には、年齢に適した

良い睡眠衛生、一般的な行動に対して使える評価法、さらに

その他の行動介入に関する教育も付け加えることが望ましい

として推奨された。また。併用薬の使用を除外基準にすると、

不眠症の薬物治療で恩恵を受ける可能性がもっとも高い

条件について治療現場に誤解を与えるおそれがあるので、

除外基準にしないことが勧められている。


今回の同意声明では、臨床的に意義のある不眠症転帰の評価に

役立つ手段として、睡眠ポリグラフと挙動記録を支持している。

不眠症転帰としては、総睡眠時間の改善、入眠遅延の短縮、

入眠後の覚醒時間と夜間覚醒回数の低下、睡眠不十分による

早朝覚醒の根絶などがある。


委員会はさらに、PDDとADHDの転帰の改善を

不眠症試験の主要転帰にはしないことを推奨している。こうした

転帰は臨床研究の中で慎重に扱う必要があり、薬物開発時の

二次的測定項目としてのみ用いるように勧告している。


最後に専門委員会が考察した倫理問題は、試験対象にする

ことが推奨されている集団、特に、自閉症障害やアスペルガー症

などのPDDを持つ小児の中には同意する能力が弱い者がいる

可能性が高いという問題である。


「PDD患児のうち言葉が話せない者がかなりおり、インフォーム

ドコンセントを取り付けることができない者が多くいる」と著者らは

結論で述べている。「すべての小児においてインフォームドコンセ

ントの法的責任は保護者にあるが、このグループの小児は相手

が親であっても研究者であっても、同意の意志を表わす能力

すなわちフィードバック能力が低いので、このグループの小児

での試験は重要性が高いためになおさら慎重さとセーフガード

が必要である」。


このプロジェクトは米国立睡眠財団とBest Practice Project

Management社の支援を受けている。King Pharmaceuticals社、

Organon社、Pfizer社、Sanofi-Aventis社、Sepracor社、Takeda

Pharmaceuticals North America社が会議を後援した。

著者らの一部は、King, Sepracor社、Pfizer社、Johnson's Baby社、

Wyeth社、McNeil社、Eli Lilly社、GlaxoSmithKline社、Forest社、

Wyeth-Ayerst社、Sanofi-Aventis社、Cephalon社、Acadia社、

Actelion社、AstraZeneca社、Aventis社、Cypress社、Hypnion社、

Lundbeck社、Merck社、Neurocrine社、Neurogen社、NovaDel社、

Organon社、Orginer社、Pfizer社、Roche社、Somaxon社Syrex社、

Takeda社、Transoral社、Vanda社、Vivometrics社、Off the

Record Research社との間でさまざま財務関係を持っている。


Pediatrics. 2006;117:e1223-1232


Medscape Medical News 2006. (C) 2006 Medscape


(m3.com編集部注:)

・Pharmacologic Management of Insomnia in Children and

Adolescents: Consensus Statement

- Pediatrics. 2006;117:e1223-1232 ・Pediatrics