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サマータイムで睡眠不足に 体内時計とずれ、学会報告

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2005年5月6日】

 日本睡眠学会サマータイム制度特別委員会(委員長・本間研一(ほんま・けんいち)北海道大大学院教授)は2日、夏期に時計の針を1時間進めるサマータイム制度について、生理機能の面から多くの人に睡眠不足をもたらす可能性があるとする中間報告をまとめた。近く学会のホームページに掲載する。

 サマータイムは昨年、札幌市が試験的に実施。さらに、超党派の国会議員が、全国で導入する法案を5月中にも議員立法で国会に提出する予定。ただ、導入に批判的な議員も多く、健康への影響が指摘されたことで、反対派の声が強まることも予想される。

 サマータイムが1948年に日本で導入され、4年で廃止された際も、余暇時間が増える代わりに睡眠不足になると言われた。中間報告は加えて、人が行動する時間帯と、睡眠や血圧など生理機能のリズムをつくり出す体内時計との間にずれが生じ、体に負担をかけるとしている。

 日本人の現在の平均睡眠時間は約7時間で、他国と比べてやや少なめ。さらに、体にかかった負担で熟睡できずに睡眠不足になる可能性があり、人によっては睡眠障害に陥ると指摘している。

 サマータイムは、明るい時間帯の活用による省エネ効果や、余暇時間の増加がメリットとされるが、過去に導入した韓国やコロンビアでも、弊害が大きいとして数年で中止。昨年実施した札幌市でのアンケートでは、参加した企業従業員らの27%が「睡眠不足になった」と回答した。


TITLE:m3.com :一般医療ニュース


管理人追記

詳しい内容は日本睡眠学会HP で読むことができます。 (PDFファイルで掲載されています。)

前立腺がん3・5倍に 昼夜交代勤務の男性 心疾患死亡も2・8倍

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2005年5月2日】

 24時間操業の工場や鉄道、ホテルなどの交代制職場で働く男性は、主に昼間働く日勤職場の男性に比べ、前立腺がんになる危険性が3.5倍、心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患で死亡する危険性が2.8倍高いことが、文部科学省が補助する大規模疫学研究(運営委員長・玉腰暁子(たまごし・あきこ)名古屋大助教授)の分析で2日までに分かった。

 不規則な勤務による体内時計の乱れが関与していると考えられ、虚血性心疾患は血圧上昇やストレスも原因とみられる。

 厚生労働省の調査では、午後10時以降の深夜業に従事する労働者がいる事業所は2割に上り、うち半数が交代勤務を導入。研究者らは「前立腺がん検診の導入や、循環器病の危険因子を持っている人の適正配置など、労働管理の在り方を考えるべきだ」と話している。

 一般の人を追跡する大規模疫学調査で交代勤務の健康影響を示した研究は少なく、前立腺がんの報告は世界初という。

 1988年から99年にかけて健康状態を追跡した全国約11万人のデータを利用。産業医大臨床疫学教室の久保達彦(くぼ・たつひこ)医師らは、がん罹患(りかん)調査が行われた地域の男性労働者約1万6000人(40-79歳)を分析した。

 55人に前立腺がんが新たに見つかり、年齢などを統計的に調整した結果、交代勤務者は、日勤者に比べ前立腺がんになる危険性が3.5倍高いことが分かった。

 福岡労働衛生研究所の藤野善久(ふじの・よしひさ)医師が、40-59歳の男性約1万8000人を分析したところ、虚血性心疾患による死亡の危険性は2.8倍と判明。循環器病危険因子を持っている場合は危険性はさらに高まり、高血圧だと6.5倍、喫煙者は3.1倍、習慣的飲酒者は3.6倍、体格指数(BMI)が25以上の肥満では6.1倍だった。


生活時間のブレが元凶 体内時計狂う 
 

 規則正しい生活と不規則な生活のどちらが健康的か-。今回の研究は、経験的、直感的に分かる答えを裏付けた。健康悪化の大きな要因は、生活時間のブレだ。

 人間には、睡眠やホルモン分泌などの生体リズムを約25時間周期で整える体内時計が備えられている。それが1日24時間に順応するのは、日中の太陽の光で正しくセットし直されるためだ。逆に、夜間に強い光刺激を受けると時計は狂い、自律神経の乱れやホルモン分泌低下などを起こすと考えられている。

 今回の研究では、交代制職場の男性は日勤者に比べ、前立腺がんになったり、虚血性心疾患で死亡したりする危険性などが高いことが判明。一方で、夜勤中心の人は、前立腺がんの危険性が日勤者の1.6倍だったが、統計的には明確な差ではなかった。

 夜勤よりむしろ、交代制で日勤や夜勤を繰り返すと健康悪化を招くことを示す結果だ。

 産業医大の河野公俊(こうの・きみとし)教授(分子生物学)は「夜勤中心ならば慣れてくる可能性がある。交代勤務では体内時計が順応できず、仕事のストレスによってできた有害な活性酸素などをうまく処理できていない可能性がある」と指摘している。


生活改善支援や検診充実を 

上畑鉄之丞(うえはた・てつのじょう)・聖徳大教授(公衆衛生学)の話 労働安全衛生法では、深夜業に従事する労働者の健康診断は、日勤職場より多い年2回となっているが、それだけでは足りない。心筋梗塞(こうそく)になる危険性が高い肥満の人に企業がダイエットプログラムを提供するなど生活習慣の改善をサポートしたり、(高齢者に多い)前立腺がんに備え退職後の検診体制の整備を検討したりすることも必要だろう。


体内時計と交代勤務 

体内時計と交代制勤務 体内時計は、睡眠や血圧、体温の変動、ホルモン分泌など生理機能のリズムをつくり出し、生体内の朝、昼、夜をコントロールする。脳の中心部にある細胞が時計のように時を刻みリズムを管理。交代勤務などで深夜まで強い光を浴びると、体内時計は乱れると考えられ、不眠症やうつ、乳がんなどになる危険性を増やす要因になることが分かっている。




参考記事『子供が十分に寝ていないことを知らない親が多い 』

子供が十分に寝ていないことを知らない親が多い 

提供:WebMD


調査した5年生の大多数が、十分に寝ていないと回答

Miranda Hitti
WebMD Medical News

Reviewed by Michael Smith, MD

【4月20日】 米国全土の教室では、児童の多くが、昨夜よく寝ていないために、若干「頭がぼうっとしている」可能性がある。

調査を受けた5年生約200人のほとんどが1週間に少なくとも数晩は、十分に寝ていないと回答した、という最近の調査が『Journal of School Health』に掲載された。

教師らは、あくび、問題行動、児童による睡眠障害の訴えについて報告した教師にとって驚くべきことではない。しかし、親の中には、子供が就寝時刻を過ぎても、こっそり寝ないで起きていたり、ベッドの中で頻繁にに寝返りを打っていたりすることを知らないように思われる親もいた、と本研究は示唆する。


睡眠時間の目標:1晩10-11時間

理想的には、小学生は、1晩に10-11時間の睡眠を取るべきである、と本研究の研究者らは語る。この研究者のうち、Denise Amschler, PhDは、ボール州立大学生理学及び保健科学教授である。

「よい睡眠は、毎日の運動や適切な栄養と同様に重要である」と同博士の研究は述べる。

同博士が調査した児童の大多数は、十分に寝ていないと回答した。4人に1人は、1週間に5-7晩は、睡眠時間が少なすぎると答え、39%は、1週間に2-4晩、十分に寝ていないと回答した。


典型的な就寝時刻

登校日の前日、ほとんどの児童は、午後9時から9時半にベッドに入ると語った。しかし、就寝時刻が午後10時以降になることは普通であった。

子供の83%が午前7時には起きていたので、これでは、10-11時間の睡眠時間を取ることは難しい。

本研究では、子供毎に就寝時刻と起床時刻を組み合わせて検討していない。しかし、例えば、もし児童が午後10時に寝て、午前6時30分に起きたのであれば、睡眠時間は8.5時間となり、睡眠時間の 目標をはるかに下回る。

この睡眠不足は、子供の1日に影を落とす可能性がある。ちょうど大人のように、子供の気分や行動が、睡眠不足によって損なわれる可能性がある。


就寝時刻について親と衝突するのは普通

児童のほぼ半数は、就寝時刻について親と口論になると語った。

子供の多くは、決められた就寝時刻を守らず、親が思っているよりも遅くまでこっそり起きていた。約30%は、1週間に5-7晩、親が考えているよりも遅くまで起きていたと述べた。さらに32%が、1週間に2-4晩は、このようなことをすると認めた。

寝室にテレビやコンピューターがある子供は、遅くまで起きているという誘惑にかられる可能性がある、と研究者らは語る。しかし、この研究では、寝室のテレビおよびコンピューターに関しては質問しなかった。


眠れぬ夜は珍しくない

子供のうちの幾人かは、入眠困難であった。常に20分以内に眠りにつけると答えたのはわずか27%であった。

眠れない理由としては疼痛が多く、このために、児童の約半数は、1週間に最低2晩は眠れなかった。

従って、児童の80%以上が、少なくとも週に2回は日中眠く感じると回答したのは不思議なことではない。


授業への影響

子供の教師らは、児童のおよそ3分の1が日中にあくびをし、ほぼ5分の1が多動であり、児童の6人に約1人が、睡眠について不満を訴えると語った。

教師らは、児童の8人に1人が、寝ないように必死に努力していると語った。教師によれば、これらの児童のうち、実際に授業中に眠り込んだり、眠気によって授業を中断させたり、大きな規律上の問題を起こす児童はほとんどいないとのことであった。


Amschler, D. Journal of School Health, February 2005; vol 75: pp 50-56. News release, Ball State University.


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